電気柵を設置するうえで重要な4つの事項を解説

以前、電気柵による事故と言う報道がありました。電気柵は危険であるという認識になりそうですが、法律の範囲内で設計された電気柵は危険ではありません。では、なぜ事故になったのでしょうか?


市販の電気柵は危なくないの!?

日本の法律には電気事業法という法律があります。この法律の範囲内で設置された電気柵では死亡事故は起きていません。では、どんなことが危険なのか考えていきましょう。

 

①電気柵とは

これが一番大切なポイントになります。電気柵と言われる物がどんな物なのかしっかり理解していないと危険です。

では、電気柵の定義は何でしょうか。

経済産業省等のチラシを見ると、(経済産業省のサイトはこちら)

1、「田畑や牧場などで、高圧の電流による電気刺激によって、野生動物の侵入や家畜の脱出を防止するさくのことです。」

2、「電気柵は、人に対する危険防止のために、電気事業法で設置方法が定められています。」

と書いてあります。

なかなか難しいですね。

簡単に言うと電気柵は、「野生動物、家畜用に使用しましょう。」、「危険防止のために法律で設置方法が決まってますよ。」と言う事です。

 

②野生動物、家畜用とは

農業や畜産をされている方はお分かりになると思います。

まずは、野生動物についてです。

田畑で作物を作っていると、山から下りてきたイノシシ等が作物を食べることがあります。イノシシにとってみれば、人間がいる場所は危険です。なので、人間が田畑にいない時間帯に出没します。

一度おいしい作物を食べてしまうと、味をしめて何度もやってきます。農家の方にとってみればまさに泥棒です。

このイノシシが田畑に入らないように、田畑の周囲に電気柵を張ります。これが野生動物の侵入を防ぐ電気柵です。

次に、家畜用です。広い土地で牛などを放牧し草を好きなだけ食べてもらいます。

例えば近くに道路があるとしましょう。牛は道路の危険性を知りません。車が接触する等の危険があります。

そこで、道路などに出ないように電気柵を張り、電気柵の中だけで草を食べてもらいます。これが家畜用の電気柵です。

③人に対する危険防止とは

「電気柵は、人に対する危険防止のために、電気事業法で設置方法が定められています。」

電気柵を設置するに当たり、危険防止の為に守らなければならない基準は4つあります。

1、「危険である旨の表示」

 電気柵を設置した場合は、人が見やすいように、適当な位置や間隔、見やすい文字で危険である旨の表示を行う事が必要です。

2、「電気柵用電源装置の使用」

 電気柵に電気を供給する場合は、感電により人に危険の及ぼすおそれのないように、出力電流が制限される電気柵用電源装置を用いる必要があります。

3、「漏電遮断器を設置すること。」

 電気柵を公道沿いなどの人が容易に立ち入る場所に設置する場合で、30ボルト以上の電源(家庭のコンセントなど)から電気を供給するときは、漏電による危険を防止するために、漏電遮断器を設置する必要があります。

4、「開閉器(スイッチ)を設置すること。」

 電気柵に電気を供給する回路には、電気柵の事故等の際に、容易に電源から開放できるように、開閉器(スイッチ)を設置する必要があります。

※電源装置本体に付属されており、容易に操作できる場合、外部に追加する必要はありません。

この4つを守って危険防止のために電気柵を設置しましょう。

 

④電気柵で絶対してはいけないこと

電気柵を設置する際の重要な注意点です。

家庭用電源(100V、200V)から直接、電気柵に電気を供給させることは危険ですので、絶対に行わないでください。

この方法は、人や家畜を死傷させる事故につながるおそれがあります。

電気柵の事故と言われる痛ましい事故は、専用の電気柵を使わず、自作の危険な殺傷仕掛け(もはや電気柵と呼べる代物ではない)でした。

電気柵用電源装置以外は危険ですので絶対に使用しないでください。

もう一度言います、「人が死傷する恐れがあり大変危険ですので、電気柵用に設計された装置以外は絶対に使用しないでください。」

もし知らずに使用されている方がいらっしゃれば、このページを読むのをやめて頂き、今すぐに電源を切り使用を中止してください。

法律違反になります。

これが電柵を使用するうえで一番大事な注意点になります。危険なので絶対に使用しないようにしましょう。

 

いかがだったでしょうか?ここでご紹介した電気柵についての設置方法等は、経済産業省、農林水産省、電気柵協議会のホームページにも記載されています。

作物を守るため、危険の無いように電気柵の設置を行いましょう。

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